11月
13
2008
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【行政書士過去問】(平成20年問40)匿名組合

匿名組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 匿名組合員は、信用や労務を出資の目的とすることはできず、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
  2. 匿名組合員による出資は、組合の財産を形成することはなく、営業者の財産に属する。
  3. 匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利および義務を有しないが、匿名組合員が自己の商号などを営業者の商号として使用することを許諾したときには、その使用以後に生じた債務について、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。
  4. 匿名組合員は、営業者の業務を執行し、または営業者を代表することができない。
  5. 匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員に対してその出資の価額を返還しなければならず、出資が損失によって減少した場合には、営業者は、その減少額をてん補して匿名組合員に出資の価額を返還する義務を負う。

正解:5

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【1】 ○ 正しい

匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる(商法536条2項)。

【2】 ○ 正しい

匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する(商法536条1項)。

【3】 ○ 正しい

匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う(商法537条)。

【4】 ○ 正しい

匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない(商法536条3項)。

【5】 × 誤り

出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる(商法542条)。


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【行政書士過去問】(平成20年問39)資金調達

甲株式会社(以下、甲会社という)の資金調達に関する次の文章の空欄ア~キに当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。なお、以下の文章中の発言・指摘・提案の内容は、正しいものとする。

東京証券取引所に上場する甲会社は、遺伝子研究のために必要な資金調達の方法を検討している。甲会社取締役会において、財務担当の業務執行取締役は、資金調達の方法として株式の発行、アの発行、銀行借入れの方法が考えられるが、銀行借入れの方法は、交渉の結果、金利の負担が大きく、新規の事業を圧迫することになるので、今回の検討から外したいと述べた。次に、株式の発行の場合は、甲会社の経営や既存株主に対する影響を避けるために、イとすることが望ましいのであるが、会社法はウについてイの発行限度を定めているため、十分な量の資金を調達できないことが見込まれると指摘した。社外取締役から、発行のコストを省くという観点では、エを処分する方法が考えられるという意見が出された。これに対して、財務担当の業務執行取締役は、株式の発行価額が、原則として資本金に計上されるのに対して、エの場合は、その価額はその他オに計上されるという違いがあると説明した。こうした審議の中で、甲会社代表取締役は、アの発行であれば、経営に対する関与が生じないこと、またアをカ付とし、キ額をカの行使価額に充当させるものとして発行すれば、キに応じるための資金を甲会社が準備する必要はなく、現段階では、有利な資金調達ができるだろうと提案した。

1 社債 議決権のない株式 公開会社 金庫株式 資本準備金 新株予約権 払戻し
2 債券 議決権のない株式 上場会社 金庫株式 資本剰余金 取得請求権 払戻し
3 社債 議決権のない株式 公開会社 自己株式 資本剰余金 新株予約権 償還
4 債券 配当請求権のない株式 上場会社 募集株式 資本準備金 買取請求権 払戻し
5 社債 配当請求権のない株式 公開会社 自己株式 利益準備金 取得請求権 償還

正解:3

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資金調達の方法として、資株式の発行、(ア)社債の発行がある(会社法676条)。
会社の経営や既存株主に対する影響を避けるために、(イ)議決権のない株式(会社法108条1項3号)とすることが望ましい。会社法は(ウ)公開会社について議決権のない株式の発行限度を定めている(会社法115条)。
発行のコストを省くという観点では、(エ)自己株式(会社法155条以下)を処分する方法が考えられる。自己株式の場合、その価額はその他(オ)資本剰余金に計上される(会社法446条1項)。
社債を(カ)新株予約権付(会社法236条以下)とし、(キ)償還額を新株予約権の行使価額に充当させるものとして発行すれば、償還に応じるための資金を甲会社が準備する必要はない。
以上により、正解は肢3となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問38)剰余金の配当

株式会社における剰余金の配当に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

  • ア 剰余金の配当により株主に交付される金銭等の帳簿価額の総額は、剰余金の配当が効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
  • イ 剰余金の配当においては、株主総会の決議により、当該会社の株式、新株予約権または社債を配当財産とすることができる。
  • ウ 取締役会設置会社は、1事業年度の途中において1回に限り、取締役会決議により剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨を定款で定めることができる。
  • エ 純資産の額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当をすることができない。
  • オ 会社が自己株式を有する場合には、株主とともに当該会社も剰余金の配当を受けることができるが、配当財産の額は利益準備金に計上しなければならない。
  1. ア・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・エ
  4. イ・オ
  5. ウ・オ

正解:4

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【ア】 ○ 正しい

剰余金の配当により株主に交付される金銭等の帳簿価額の総額は、剰余金の配当が効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない(会社法461条1項)。

【イ】 X 誤り

剰余金の配当においては、金銭分配請求権を与えない現物を配当財産とする場合には、株主総会の特別決議が必要となる(会社法459条1項4号)。

【ウ】 ○ 正しい

取締役会設置会社は、1事業年度の途中において1回に限り、取締役会決議により剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨を定款で定めることができる(会社法454条5項)。

【エ】 ○ 正しい

株式会社の純資産の額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当をすることができない(会社法458条)。

【オ】 X 誤り

株式会社は、当該株式会社を除く株主に対して、剰余金の配当をすることができる(会社法453条)。したがって、自己株式に対しては剰余金を配当できない。

【まとめ】

以上より、誤っているものはイとオであるので、正解は肢4となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問37)代表取締役の権限

会社法上の公開会社であって取締役会設置会社の代表取締役の権限に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  • ア 取締役会は3ヶ月に1回以上招集しなければならないが、その招集権者を代表取締役とすることができる。
  • イ 取締役の職務の執行が法令および定款に適合するための体制(いわゆる内部統制システム)の整備については、代表取締役が決定する。
  • ウ 代表取締役は、会社の業務に関する一切の裁判上の権限を有するため、取締役の義務違反により会社に損害が生じた場合に、当該取締役に対する責任追及のための訴訟を提起する。
  • エ 代表取締役は、取締役会決議に基づいて、代表権の一部を他の取締役に委譲することができる。
  • オ 取締役会は、法定事項や重要な業務執行について決定権限を有するが、それ以外については、代表取締役に、業務執行の決定を委任することができる。
  1. ア・ウ
  2. ア・オ
  3. イ・エ
  4. イ・オ
  5. ウ・エ

正解:2

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【ア】 ○ 正しい

取締役会は3ヶ月に1回以上招集しなければならないが、その招集権者を代表取締役とすることができる(会社法363条2項、366条1項)。

【イ】 X 誤り

取締役会は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制の整備について、代表取締役に委任することができない(会社法362条2項2号)。

【ウ】 X 誤り

株式会社が取締役に対して訴えを提起する場合には、取締役会で定められた「当該訴えについて株式会社を代表する者」が行うのであって(会社法364条、353条)、必ずしも代表取締役が訴訟を提起するわけではない。

【エ】 X 誤り

取締役会の決議によっても、代表権の一部を他の取締役に委譲することはできない。

【オ】 ○ 正しい

取締役会は、法定事項や重要な業務執行について決定権限を有するが、それ以外については、代表取締役に、業務執行の決定を委任することができる(会社法362条4項)。

【まとめ】

以上より、正しいものの組合せはア・オであるので、正解は肢2となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問36)株主等の閲覧権

株式会社の株主等の閲覧権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、甲株式会社(以下、甲会社という)は、会社法上の公開会社とする。

  1. 単独株主Aは、甲会社の株式を市場において1000株取得した時点で、甲会社の株主構成を知りたいと考えた。Aは、営業時間内であれば、いつでも甲会社の株主名簿を閲覧することができる。
  2. 甲会社の債権者Bは、甲会社からの債権放棄の要請に対して、甲会社の取締役等の責任追及をしたいと考えている。Bは、責任追及のための情報を得るために、営業時間内であれば、いつでも甲会社の取締役会議事録を閲覧することができる。
  3. 単独株主Cは、甲会社が会社の事業とは無関係な美術品を高額で取得したことは、会社財産を著しく減少させ、甲会社に多大な損害を被らせるおそれがあると考えている。Cは、そのことを裏付けるために、営業時間内であれば甲会社の会計帳簿を閲覧することができる。
  4. 甲会社の株券を保有しているDは、自己の債権者であるEに、売掛債権の担保としてその株券を略式質として提供したいと申し出た。Eは、甲会社の株主ではないが、Dの保有する株券が喪失株券でないことを確認するために、営業時間内であれば、いつでも甲会社の株券喪失登録簿を閲覧することができる。
  5. 単独株主Fは、甲会社の経営が一気に悪化した原因が、甲会社に対する親会社の経営支配によるものであると考えている。Fは、この事実関係を確認するために、裁判所の許可を得て、当該親会社の取締役会議事録を閲覧することができる。

正解:4

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【1】 X 誤り

株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない(会社法130条1項)。Aが名義書換前であれば、閲覧することはできない。

【2】 X 誤り

債権者が取締役会議事録を閲覧請求するには裁判所の許可が必要である(会社法371条4項)。

【3】 X 誤り

会計帳簿を閲覧することができるのは、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主又は発行済株式の100分の3以上の数の株式を有する株主である(会社法433条1項1号)。

【4】 ○ 正しい

何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも株券喪失登録簿を閲覧することができる(会社法231条2項)。

【5】 X 誤り

役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、取締役会設置会社の議事録等について閲覧請求することができるのは、その会社の親会社社員である(会社法371条4項)。


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【行政書士過去問】(平成20年問35)養子縁組

養子縁組に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

  • ア 配偶者のある者が成年者を養子とする場合には、原則として配偶者の同意を得なければならないが、配偶者がその意思を表示することができない場合には、その同意を得ないで縁組をすることができる。
  • イ 配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には、原則として配偶者と共に縁組をしなければならないが、配偶者の嫡出である子を養子とする場合には、単独で縁組をすることができる。
  • ウ 配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には、原則として配偶者と共に縁組をしなければならないが、配偶者もまた未成年者である場合には、単独で縁組をすることができる。
  • エ 真実の親子関係がない親から嫡出である子として出生の届出がされている場合には、その出生の届出は無効であるが、その子が成年に達した後はその出生の届出を養子縁組の届出とみなすことができる。
  • オ 真実の親子関係がない戸籍上の親が15歳未満の子について代諾による養子縁組をした場合には、その代諾による縁組は一種の無権代理によるものであるから、その子は、15歳に達した後はその縁組を追認することができる。
  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・オ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

正解:4

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【ア】 ○ 妥当である

配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。配偶者がその意思を表示することができない場合は、配偶者の同意を得ないで縁組をすることができる(民法796条)。

【イ】 ○ 妥当である

配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合、単独で縁組をすることができる(民法795条)。

【ウ】 X 妥当でない

配偶者が未成年者である場合には、単独で養子縁組をすることはできない(民法795条)。

【エ】 X 妥当でない

他人の子を嫡出であると出生の届出がなされても、それによって養子縁組の届出とみなすことはできない(民法799条最判昭25.12.28)。

【オ】 ○ 妥当である

真実の親でない者による代諾による養子縁組は一種の無権代理によるものであるから、養子が15歳に達した後はその縁組を追認することができる(民法797条民法116条最判昭27.10.3)。

【まとめ】

以上により、妥当でないのはウ・エであり、正解は肢4となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問34)相殺

相殺に関する次のア~ウの記述のうち、相殺の効力が生じるものをすべて挙げた場合、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  • ア AがBに対して平成20年5月5日を弁済期とする300万円の売掛代金債権を有し、BがAに対して平成20年7月1日を弁済期とする400万円の貸金債権を有している。この場合に、平成20年5月10日にAがBに対してする相殺。
  • イ AがBに対して平成18年5月5日を弁済期とする300万円の貸金債権を有していたところ、平成18年7月1日にAがBに対して暴力行為をはたらき、平成20年7月5日に、Aに対してこの暴力行為でBが被った損害300万円の賠償を命ずる判決がなされた。この場合に、平成20年7月5日にAがBに対してする相殺。
  • ウ A銀行がBに対して平成19年7月30日に期間1年の約定で貸し付けた400万円の貸金債権を有し、他方、BがA銀行に対して平成20年7月25日を満期とする400万円の定期預金債権を有していたところ、Bの債権者CがBのA銀行に対する当該定期預金債権を差し押さえた。この場合に、平成20年8月1日にA銀行がBに対してする相殺。
  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・ウ

正解:2

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【ア】 ○ 妥当である

A→Bの債権の弁済期よりも、B→Aの弁済期の方が先に到来している場合には、Aは期限の利益を放棄して相殺をすることができる(民法505条1項136条2項、大判昭8.5.30)。

【イ】 X 妥当でない

受働債権が不法行為によって生じたときは、その債権者は、相殺をもって債権者に対抗することができない(民法509条)。したがって、本肢のAはBに対して相殺することはできない。

【ウ】 ○ 妥当である

A→Bの債権の弁済期、B→Aの弁済期の前後を問わず、Aは差し押さえを受けた債権と相殺することができるとするのが判例である(民法511条、最大昭46.6.24)。

【まとめ】

以上により、正しいものはア・ウであり、正解は肢2となる。


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2008
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【行政書士過去問】(平成20年問33)共有・連帯債務

A、B、C三人がDから自動車1台を購入する契約をし、その売買代金として300万円の債務を負っている場合に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  • ア この場合の売買代金債務は金銭債務であるので不可分債務となることはないため、Dは、A、B、Cに対して、それぞれ100万円の代金支払請求しかすることができない。
  • イ Aは、Dに対して、A、B、C三人のために自動車の引渡しを請求することができるが、Dは、A、B、C三人のためであるとしても、Aに対してだけ自動車の引渡しをすることはできない。
  • ウ 購入した自動車がA、B、C三人の共有となった場合には、Aは、自動車の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
  • エ 自動車の売買代金300万円について、A、B、Cの三人が連帯債務を負担する場合において、Aの債務についてだけ消滅時効が完成したときは、Aの負担部分については、BおよびCも、その債務を免れる。
  • オ 自動車の売買代金300万円について、A、B、Cの三人が連帯債務を負担する場合において、Aについては制限行為能力を理由に契約の取消しが認められるときには、Aの負担部分については、BおよびCも、その債務を免れる。
  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・エ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

正解:4

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【ア】X 誤り

自動車の引渡し債務は不可分債務であるので、その対価も不可分債務となる(民法430条)。したがって、300万円全額を請求することができる。

【イ】 X 誤り

Dはすべての債権者のために履行をすることができるので、Aに対してだけ自動車の引渡しをすることもできる(民法428条)。

【ウ】 ○ 正しい

各共有者は、その持分に応じて、共有物全部を使用することができる(民法249条)。したがって、Aは自動車全部を持分に応じて使用することができる。

【エ】 ○ 正しい

連帯債務において、連帯債務者の一人について時効が完成したとき、その連帯債務者の負担部分について、他の連帯債務者もその義務を免れる(民法439条)。

【オ】 X 誤り

連帯債務者の一人について制限行為能力を理由として契約の取消しが認められるとしても、他の連帯債務者に対しては効力を生じない(民法440条)。したがって、B・Cは債務を免れない。

【まとめ】

以上より、正しいものはウ・エであるので、正解は肢4となる。


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2008
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【行政書士過去問】(平成20年問32)売買契約

AがBに対して自己所有の家屋を売る契約をした場合に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. Aが当該家屋をBに引き渡すまでの間は善管注意義務をもって当該家屋を保存・管理しなければならないので、Aの履行遅滞中に不可抗力で当該家屋が滅失してもAが善管注意義務を尽くしていれば責任を負わない。
  2. Bが登記を備える前に、AがCに対して当該家屋を二重に売ってしまった場合、CがBより先に仮登記を備えたときでも、AのBに対する債務は未だ履行不能とはならない。
  3. Bが登記を備える前に、AがBへの譲渡を知っているDに対して当該家屋を二重に売ってしまい、登記を移転してしまった場合、Bは、それだけではDに対して債権侵害を理由とする不法行為責任を追及できない。
  4. Bが登記を備える前に、AがBへの譲渡を知らないEに対して当該家屋を二重に売ってしまい、登記を移転してしまった場合、BがAに対して履行不能による損害賠償を請求するときは、価格が騰貴しつつあるという特別の事情があれば、転売・処分の可能性がなくても、騰貴前に処分したことが予想されない限り、騰貴した現在の価格を特別損害とすることができる。
  5. Bが登記を備える前に、Aが、Bを害することを知っているFと通謀して当該家屋をFに対して代物弁済し、登記を移転してしまった場合、Aがその結果無資力となれば、Bは、A・F間の代物弁済を、詐害行為を理由に取り消すことができる。

正解:1

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【1】 X 妥当でない

善管注意義務を果たしていたとしても、履行が遅滞していた以上は、家屋の滅失についてAは債務不履行による損害賠償責任を負わなければならない(民法415条、大判明39.10.29)。

【2】 ○ 妥当である

仮登記には対抗力が認められないので、Cへの仮登記だけでは、AのBに対する債務は履行不能となっていない(民法177条参照)。

【3】 ○ 妥当である

不動産の二重譲渡の場合、第二譲受人は第一譲受人に対して不法行為責任は負わないとされている(民法709条、最判昭31.5.31)。第二譲受人の行為には違法性がないからである。

【4】 ○ 妥当である

価格が騰貴しつつあるという特別の事情があれば、騰貴した現在の価格を特別損害とすることができるとされている(民法416条2項、最判昭47.4.20)。

【5】 ○ 妥当である

Bを害することを知っているFに対して代物弁済として不動産を譲渡し登記してしまった場合は詐害行為となり、BはA・Fの代物弁済を取り消すことができる(民法424条)。


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【行政書士過去問】(平成20年問31)抵当権

AはBに金銭を貸し付け、この貸金債権を担保するためにB所有の土地の上に建っているB所有の建物に抵当権の設定を受けて、その登記を備えた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。

  1. Aの抵当権が実行された場合、抵当権設定時に建物内に置いていたB所有の家電製品のテレビには抵当権の効力は及ばない。
  2. 抵当権設定時にB所有の土地の登記名義はCであった場合でも、抵当権実行により買受人Dのために法定地上権が成立する。
  3. 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をEに賃貸した場合、BのAに対する債務不履行後に生じた賃料について抵当権の効力が及ぶので、抵当権の実行としてAはこの賃料から優先的に弁済を受けることができる。
  4. 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をFに賃貸した場合、対抗要件を備えた短期の賃貸借であっても、賃借人Fは抵当権実行による買受人Gに対抗できない。
  5. 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をHに賃貸してHがその旨の登記を備えた場合、抵当権実行による買受人Iからの明渡請求に対して、賃借人Hは、明渡しまでの使用の対価を支払うことなく、6ヶ月の明渡猶予期間を与えられる。

正解:5

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【1】 ○ 正しい

抵当権の効力は抵当権の目的物と付加して一体となったものに及ぶとされている(民法370条)。しかし、テレビはこの建物の「付加一体物」とはいえないので、抵当権の効力は及ばない。

【2】 ○ 正しい

抵当権設定当時、土地はB所有であったので、土地と建物は同一人に帰していたといえる。したがって、法定地上権の成立要件を満たしているので、法定地上権は成立する(民法388条

【3】 ○ 正しい

賃料については抵当権の効力を物上代位することができるので、本肢の賃料についても抵当権の効力は及ぶ(民法372条304条)。

【4】 ○ 正しい

抵当権設定登記後に、賃貸された場合、この賃貸借は抵当権実行による買受人には対抗することはできない(民法177条395条参照)。

【5】 X 誤り

抵当権設定登記後に、賃貸された場合、この賃貸借は抵当権実行による買受人には対抗することはできないが、この場合、賃借人Hは、6ヶ月の明渡猶予期間が認められている。しかし、この猶予が認められるには使用の対価を支払う必要がある(民法395条2項)。


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13
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【行政書士過去問】(平成20年問30)賃貸借契約

Aは、自己所有の土地につき、Bとの間で賃貸借契約を締結した(賃借権の登記は未了)。AがBにこの土地の引渡しをしようとしたところ、この契約の直後にCがAに無断でこの土地を占拠し、その後も資材置場として使用していることが明らかとなった。Cは明渡請求に応ずる様子もないため、AとBは、Cに対して次のア~オの法的対応を検討している。これらの対応のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

  • ア Aが、Cの行為を不法行為として損害賠償請求をすること。
  • イ Aが、自己の土地所有権に基づき土地明渡請求をすること。
  • ウ Bが、自己の不動産賃借権に基づき土地明渡請求をすること。
  • エ Bが、占有回収の訴えに基づき土地明渡請求をすること。
  • オ Bが、AがCに対して行使することができる、所有権に基づく土地明渡請求権を代位行使すること。
  1. ア・イ・オ
  2. ア・ウ・エ
  3. イ・ウ・エ
  4. イ・エ・オ
  5. ウ・エ・オ

正解:1

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【ア】○ 妥当である

CはAの土地を無断で土地を占拠しており、故意・過失によりAに損害を与えているので、AはCに対して不法行為による損害賠償を請求することができる(民法709条)。

【イ】 ○ 妥当である

Aは土地所有権を有しているので、Aは所有権に基づき、物権的請求権に基づき土地の明渡しを請求することができる(民法206条参照)。

【ウ】 X 妥当でない

不動産賃借権は債権であるから(民法605条参照)、Bはこの債権に基づいて土地明渡を請求することはできない。物権的請求権は物権にのみ認められる権利である。

【エ】 X 妥当でない

Bはまだ土地の引渡しを受けていないので、土地について占有権を有しているとはいえない。したがって、現状ではBは占有回収の訴えを提起するはできない(民法200条1項)。

【オ】 ○ 妥当である

BはAに対して土地賃借権を有しており、また、AはCに対して所有権に基づく土地明渡請求権を有している。そこで、Bは土地賃借権に基づいて、Aの土地明渡請求権を代位行使することができる(民法423条)。

【まとめ】

以上より、妥当でないものはア・イ・オであるので、正解は肢1となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問29)対抗要件

A・Bが不動産取引を行ったところ、その後に、Cがこの不動産についてBと新たな取引関係に入った。この場合のCの立場に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. AからBに不動産の売却が行われ、BはこれをさらにCに転売したところ、AがBの詐欺を理由に売買契約を取り消した場合に、Cは善意であれば登記を備えなくても保護される。
  2. AからBに不動産の売却が行われた後に、AがBの詐欺を理由に売買契約を取り消したにもかかわらず、Bがこの不動産をCに転売してしまった場合に、Cは善意であっても登記を備えなければ保護されない。
  3. AからBに不動産の売却が行われ、BはこれをさらにCに転売したところ、Bに代金不払いが生じたため、AはBに対し相当の期間を定めて履行を催告したうえで、その売買契約を解除した場合に、Cは善意であれば登記を備えなくても保護される。
  4. AからBに不動産の売却が行われたが、Bに代金不払いが生じたため、AはBに対し相当の期間を定めて履行を催告したうえで、その売買契約を解除した場合に、Bから解除後にその不動産を買い受けたCは、善意であっても登記を備えなければ保護されない。
  5. AからBに不動産の売却が行われ、BはこれをさらにCに転売したところ、A・Bの取引がA・Bにより合意解除された場合に、Cは善意であっても登記を備えなければ保護されない。

正解:3

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【1】 ○ 妥当である

CはAによる詐欺取消の前に取引関係に入っている。この場合、善意のCが保護されるために登記は必要とはされない(民法96条3項)。

【2】 ○ 妥当である

CはAによる詐欺取消後に取引関係に入っていることから、AとCは対抗関係に立つことになる。したがって、Cが保護されるためには登記を具備することが必要となる(民法177条)。

【3】X 妥当でない

CはAによる契約の解除前に取引関係に入っている。このCが民法545条1項の「第三者」として、保護されるためには、権利保護要件としての登記が必要とされる(最判昭33.6.14)。AC間の利害関係の調整のためである。

【4】 ○ 妥当である

CはAによる契約の解除後に取引関係に入っている。この場合、AとCは対抗関係に立つことになる。したがって、Cが保護されるためには、登記が必要となる(民法177条)。

【5】 ○ 妥当である

CはAによる合意解除後に取引関係に入っている。この場合、AとCは対抗関係に立つことになる。したがって、Cが保護されるためには、登記が必要となる(民法177条)。


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【行政書士過去問】(平成20年問28)無権代理

Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. CはAが追認した後であっても、この売買契約を取り消すことができる。
  2. Bが未成年者である場合、Aがこの売買契約の追認を拒絶したならば、CはBに対して履行の請求をすることはできるが、損害賠償の請求をすることはできない。
  3. Aがこの売買契約の追認を拒絶した後に死亡した場合、BがAを単独相続したとしても無権代理行為は有効にはならない。
  4. Aが追認または追認拒絶をしないまま死亡してBがAを相続した場合、共同相続人の有無にかかわらず、この売買契約は当然に有効となる。
  5. Cが相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかをAに対して回答するよう催告したが、Aからは期間中に回答がなかった場合、Aは追認を拒絶したものと推定される。

正解:3

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【1】 X 妥当でない

本人が無権代理行為を追認すると、「契約の時にさかのぼって」有効とされる(民法116条)。追認されると、相手方Cはもはや取消しをすることはできなくなる。

【2】 X 妥当でない

相手方は、本人が追認を拒絶した場合、無為権代理人に責任を追及することができる。しかし、無権代理人が制限行為能力者の場合には、責任を追及できない(民法117条2項)。

【3】 ○ 妥当である

本人Aが追認を拒絶した後に死亡した場合、Bはその追認拒絶した地位を相続するので、代理行為は有効とはならない(民法113条1項、最判平10.7.17)。

【4】 X 妥当でない

Aが死亡し、共同相続人がいる場合、共同相続人全員が共同で追認しないかぎり、有効とはならない(民法113条1項、最判平5.1.21)。当然に有効となるわけではない。

【5】 X 妥当でない

催告期間中にAから回答がなかった場合、Aは追認を拒絶したものと「みなされる」のである。「推定される」のではない(民法114条)。


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【行政書士過去問】(平成20年問27)通謀虚偽表示

Aが自己の所有する甲土地をBと通謀してBに売却(仮装売買)した場合に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

  • ア Bが甲土地をAに無断でCに転売した場合に、善意のCは、A・B間の売買の無効を主張して、B・C間の売買を解消することができる。
  • イ Bが甲土地をAに無断でCに転売した場合に、善意のCに対して、AはA・B間の売買の無効を対抗することはできないが、Bはこれを対抗することができる。
  • ウ Aの一般債権者Dは、A・B間の売買の無効を主張して、Bに対して、甲土地のAへの返還を請求することができる。
  • エ Bが甲土地につきAに無断でEのために抵当権を設定した場合に、Aは、善意のEに対して、A・B間の売買の無効を対抗することができない。
  • オ Bの一般債権者FがA・B間の仮装売買について善意のときは、Aは、Fに対して、Fの甲土地に対する差押えの前であっても、A・B間の売買の無効を対抗することができない。
  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. ア・オ
  4. イ・エ
  5. イ・オ

正解:5

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【ア】○ 妥当である

A・B間の売買は無効である。善意の第三者からのこの無効を主張することは妨げられない。したがって、Cは無効主張し、B・C間の売買を解消することができる(民法94条1項)。

【イ】 X 妥当でない

Aのみならず、BもA・B間の売買の無効を善意の第三者に対抗することはできない(民法94条2項)。

【ウ】 ○ 妥当である

A・B間の売買は無効であるので(民法94条1項)、Aの一般債権者Dは、Bに対して、甲土地のAへの返還請求を代位請求することができる(民法423条)。

【エ】 ○ 妥当である

抵当権者のEも民法94条2項の「第三者」にあたるので、Aは善意のEに対して、A・B間の売買の無効を対抗することはできない(民法94条2項)。

【オ】 X 妥当でない

相手方Bの一般債権者であるFは、土地を差し押さえる前は民法94条2項の「第三者」に当たらない。したがって、Aは、A・B間の売買の無効を対抗することができる。

【まとめ】

以上より、妥当でないものはイ・オであるので、正解は肢5となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問26)行政調査

行政調査に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、正しいものはどれか。

  1. 保健所職員が行う飲食店に対する食品衛生法に基づく調査の手続は、行政手続法の定めるところに従って行われなければならない。
  2. 税務調査については、質問検査の範囲・程度・時期・場所等について法律に明らかに規定しておかなければならない。
  3. 警察官職務執行法2条1項の職務質問に付随して行う所持品検査は、検査の必要性・緊急性があれば、強制にわたることがあったとしても許される。
  4. 自動車検問は国民の自由の干渉にわたる可能性があるが、相手方の任意の協力を求める形で、運転手の自由を不当に制約するものでなければ、適法と解される。
  5. 税務調査の質問・検査権限は、犯罪の証拠資料の収集などの捜査のための手段として行使することも許される。

正解:4

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【1】 × 誤り

保健所職員が行う飲食店に対する食品衛生法に基づく調査の手続については、行政手続法が適用されない(行政手続法3条)。

【2】 × 誤り

質問検査の範囲、程度、時期、場所等法律上特段の定めがない細目については権限ある税務職員の合理的な選択にゆだねられているものと解され、その理由や必要性の具体的告知も法律上一律の要件とされているものではない(最判昭48.7.10)。
したがって、法律であらかじめ規定する必要もない。

【3】 × 誤り

警察官職務執行法2条1項の職務質問に付随して行う所持品検査は、検査の必要性や緊急性があれば、強制にわたらない範囲で許される(最判昭53.6.20)。
強制にわたるものは、令状主義(憲法35条)に反して許されない。

【4】 ○ 正しい

運転者などに対し必要な事項についての質問などをする自動車検問は、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法や態様で行われる限り、適法なものと解すべきである(最判昭55.9.22)。

【5】 × 誤り

税務調査の質問や検査権限といえども、犯罪の証拠資料の収集など捜査のための手段として行使することは許さない(最判平16.1.20)。


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【行政書士過去問】(平成20年問25)地方自治法

地方自治法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 都道府県は、指定都市の市長から要請があった場合には、都道府県の事務の一部又は全部を指定都市に移譲しなければならない。
  2. 指定都市が市長の権限に属する事務を分掌させるために条例で設ける区を、特別区という。
  3. 市が中核市の指定の申出をしようとするときには、当該市は、あらかじめ議会の議決を経て、都道府県の同意を得なければならない。
  4. 中核市は、特例市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる。
  5. 地方自治法が定める一定の人口要件を下回った市は、町または村となる。

正解:3

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【1】 × 誤り

指定都市は、都道府県の事務の一部又は全部を当然に移譲される(地方自治法252条の19)。
指定都市からの要請により移譲するのではない。

【2】 × 誤り

指定都市が市長の権限に属する事務を分掌させるために、条例で区域を分けて区を設けることができる(地方自治法252条の20)。
しかし、特別地方公共団体である「特別区」(東京都の23区のこと)は、これとは別の概念である(地方自治法281条)。

【3】 ○ 正しい

中核市の指定の申出をするときには、あらかじめ議会の議決を経た上で、都道府県の同意を得なければならない(地方自治法252条の24)。

【4】 × 誤り

中核市は、「指定都市」が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる(地方自治法252条の22)。
「特例市」ではない。

【5】 × 誤り

市を町や村にするためには、地方自治法7条で定める処分を行う必要があり、要件を満たさなくなったら当然に町村になるわけではない(地方自治法8条)。


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【行政書士過去問】(平成20年問24)住民訴訟

住民訴訟に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、正しいものの組合せはどれか。

  • ア 教育委員会が教頭を退職前の1日だけ校長に任命した行為を前提に、地方公共団体の長が行った退職手当の支給は、任命行為が違法であるならば当然に違法となる。
  • イ 懲戒免職処分とすべきところを違法に分限免職処分とした上で行われた退職手当の支給は、当該分限免職処分が退職手当の支給の直接の原因であるから、当然に違法となる。
  • ウ 地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して契約を締結した場合には、当該契約に基づく債務の履行は当然に違法となる。
  • エ 県議会議長が発した議員の野球大会参加のための旅行命令書に基づき知事の補助職員が行った公金の支出は、当該旅行命令が違法であったとしても適法となる余地がある。
  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. ア・エ
  4. イ・ウ
  5. イ・エ

正解:5

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【ア】 × 誤り

教育委員会が教頭を退職前の1日だけ校長に任命した行為を前提に、地方公共団体の長が行った退職手当を支給した場合、校長への任命行為が違法であるからといって、当然に退職手当の支給全額が違法となるわけではない(最判平4.12.15)。

【イ】 ○ 正しい

懲戒免職処分とすべきところを違法に分限免職処分とした上で行われた退職手当の支給は、当然に違法となる(最判昭60.09.12)。当該分限免職処分が退職手当の支給の直接の原因であり、懲戒免職であるならば退職手当を支給する原因がなくなるからである。

【ウ】 × 誤り

地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して契約を締結した場合であっても、当該契約に基づく債務の履行が当然に違法となるわけではない(最判平6.12.22)。

【エ】 ○ 正しい

県議会議長が発した議員の野球大会参加のための旅行命令書に基づいて、知事の補助職員が公金を支出した場合であっても、当該旅行命令が違法だからといって直ちに公金の支出そのものが違法となるわけではない(最判平17.03.10)。

【まとめ】

以上より、正しい組合せはイとエであるので、正解は肢5となる。


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【行政書士過去問】(平成20年問23)普通地方公共団体の財務

普通地方公共団体の財務に関する次の記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 公共用財産については、それが長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、黙示的に公用が廃止されたものとみなしうる場合であっても、取得時効の成立は認められない。
  2. 行政財産の目的外使用の許可については、当該財産の目的に鑑みて支障がない場合であっても、管理者はその許可を拒否することができる。
  3. 地方公共団体は、指名競争入札に参加させようとする者を指名する際に、その者が地元の経済の活性化に寄与するか否かを考慮に入れてはならない。
  4. 地方公共団体の議会があらかじめ承認を与えたときでも、当該地方公共団体は、その財産を適正な対価なくして譲渡することはできない。
  5. 金銭の給付を目的とする地方公共団体の権利は、時効に関し地方自治法以外の法律に特別の定めがある場合を除くほか、時効により消滅することはない。

正解:2

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【1】 × 妥当でない

公共用財産においては、(1)長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、かつ(2)黙示的に公用が廃止されたものとみなしうる場合であるならば、取得時効の成立が認められる(最判昭51.12.24)。

【2】 ○ 妥当である

行政財産の目的外使用の許可については管理者の裁量にゆだねられており、当該財産の目的に鑑みて支障がない場合であっても、管理者はその許可を拒否することができる(最判平18.2.7)。

【3】 × 妥当でない

地方公共団体は、指名競争入札に参加させようとする者を指名する際に、その者が地元の経済の活性化に寄与するか否かを考慮に入れてもよい(最判平18.10.26)。

【4】 × 妥当でない

地方公共団体の議会があらかじめ承認を与えた場合には、当該地方公共団体は、その財産を適正な対価なくして譲渡することができる(地方自治法237条2項)。

【5】 × 妥当でない

判例も、金銭の給付を目的とする地方公共団体の権利について、時効に関し地方自治法以外の法律に特別の定めがある場合を除くほかにも、時効により消滅することがあることを認めている(最判平19.2.6)。


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【行政書士過去問】(平成20年問21)町村の条例制定の可否(地方自治法)

地方自治法の定める町村の条例制定の可否に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 町村は、住民による直接の選挙で首長を選出せず、議会で首長を選出する旨の条例を制定することができる。
  2. 町村は、議会を設置せず、選挙権を有する者の総会をもってこれに代える旨の条例を制定することができる。
  3. 町村は、教育委員会を設置せず、教育長にその事務を行わせる旨の条例を制定することができる。
  4. 町村は、選挙管理委員会を設置せず、首長またはその補助機関に選挙管理の事務を行わせる旨の条例を制定することができる。
  5. 町村は、監査委員を置かず、監査に関する事務を外部に委託する旨の条例を制定することができる。

正解:2

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【1】 × 妥当でない

地方公共団体の首長は、住民によって直接選挙することが定められている(憲法93条2項)。
したがって、議会で首長を選出する旨の条例を制定することはできない。

【2】 ○ 妥当である

地方公共団体は議会を設置する(地方自治法89条)。
しかし、町村については、選挙権を有する者の総会をもってこれに代える旨の条例を制定することができる(地方自治法94条)。この方が住民の民意をより反映することができるからである。

【3】 × 妥当でない

地方公共団体は教育委員会を置かなければならない(地方自治法180条の5第1項1号)。
したがって、教育委員会を設置せず、教育長にその事務を行わせる旨の条例を制定することはできない。

【4】 × 妥当でない

地方公共団体は選挙管理委員会を置かなければならない(地方自治法180条の5第1項2号)。
したがって、選挙管理委員会を設置せず、首長またはその補助機関に選挙管理の事務を行わせる旨の条例を制定することはできない。

【5】 × 妥当でない

地方公共団体は監査委員を置かなければならない(地方自治法180条の5第1項4号)。
したがって、監査委員を置かず、監査に関する事務を外部に委託する旨の条例を制定することはできない。


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【行政書士過去問】(平成20年問20)公権力の行使(国賠法1条)

国家賠償法1条にいう「公権力の行使」に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 裁判官の裁判過程における行為は、司法作用にかかわる行為なので、「公権力の行使」には該当しない。
  2. 国会議員の立法過程における行為は、国の統治作用にかかわる行為なので、「公権力の行使」には該当しない。
  3. 国家公務員の定期健康診断における国嘱託の保健所動務医師による検診は、医師の一般的診断行為と異ならない行為なので、「公権力の行使」には該当しない。
  4. 国による国民健康保険法上の被保険者資格の基準に関する通知の発出は、行政組織内部の行為なので、「公権力の行使」には該当しない。
  5. 勾留されている患者に対して拘置所職員たる医師が行う医療行為は、部分社会内部の行為なので、「公権力の行使」には該当しない。

正解:3

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【1】 X 妥当でない

判例は、裁判官の裁判過程における行為も「公権力の行使」に該当するとしている。

※ただし、実際に国家賠償責任を負うのは、「違法又は不当な目的をもつて裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情がある場合」に限られる(最判平20.07.20最判昭53.03.12)

【2】 X 妥当でない

判例は、国会議員の立法過程における行為も「公権力の行使」に該当するとしている。

※ただし、実際に国家賠償責任を負うのは、「立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や,国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり,それが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合など」の例外的なケースに限られる(最判平17.09.14)。
また、国会議員の国会における質疑が国民の名誉・信用を低下させるものであったケースにつき、判例は、それが国家賠償の対象となるのは、「職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情がある」場合に限られる(最判平09.09.09)。

【3】 ○ 妥当である

判例は、保健所勤務医師の検診につき、「医師が専らその専門的技術及び知識経験を用いて行う行為であつて、医師の一般的診断行為と異なるところはないから、特段の事由のない限り、それ自体としては公権力の行使たる性質を有するものではない」として、国家賠償の対象ではないとしている(最判昭57.04.01)。

【4】 X 妥当でない

いわゆる在外被爆者訴訟の判例である(最判平19.11.01)。
判例は、通知(通達)の発出も「公権力の行使」に該当するとした。

※厚生省(当時)の担当者が、「被爆者が国外に居住地を移した場合に健康管理手当等の受給権が失権の取扱いとなる」と定めた通達を発出した行為は「公権力の行使」に該当するものであり、さらに原爆二法の解釈を誤るものであるから違法であるとして、国家賠償を認めた判例である。

【5】 X 妥当でない

判例は、勾留されている患者に対する拘置所職員の医療行為が「公権力の行使」にあたるとしている(最判平17.01.18)。

※その上で、拘置所職員である医師が、過失により患者を適時に外部の適切な医療機関へ転送すべき義務を怠った場合には、国家賠償責任を負う場合がありうるとした。

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