11月
13
2008

【行政書士過去問】(平成20年問31)抵当権

AはBに金銭を貸し付け、この貸金債権を担保するためにB所有の土地の上に建っているB所有の建物に抵当権の設定を受けて、その登記を備えた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。

  1. Aの抵当権が実行された場合、抵当権設定時に建物内に置いていたB所有の家電製品のテレビには抵当権の効力は及ばない。
  2. 抵当権設定時にB所有の土地の登記名義はCであった場合でも、抵当権実行により買受人Dのために法定地上権が成立する。
  3. 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をEに賃貸した場合、BのAに対する債務不履行後に生じた賃料について抵当権の効力が及ぶので、抵当権の実行としてAはこの賃料から優先的に弁済を受けることができる。
  4. 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をFに賃貸した場合、対抗要件を備えた短期の賃貸借であっても、賃借人Fは抵当権実行による買受人Gに対抗できない。
  5. 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をHに賃貸してHがその旨の登記を備えた場合、抵当権実行による買受人Iからの明渡請求に対して、賃借人Hは、明渡しまでの使用の対価を支払うことなく、6ヶ月の明渡猶予期間を与えられる。

正解:5

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【1】 ○ 正しい

抵当権の効力は抵当権の目的物と付加して一体となったものに及ぶとされている(民法370条)。しかし、テレビはこの建物の「付加一体物」とはいえないので、抵当権の効力は及ばない。

【2】 ○ 正しい

抵当権設定当時、土地はB所有であったので、土地と建物は同一人に帰していたといえる。したがって、法定地上権の成立要件を満たしているので、法定地上権は成立する(民法388条

【3】 ○ 正しい

賃料については抵当権の効力を物上代位することができるので、本肢の賃料についても抵当権の効力は及ぶ(民法372条304条)。

【4】 ○ 正しい

抵当権設定登記後に、賃貸された場合、この賃貸借は抵当権実行による買受人には対抗することはできない(民法177条395条参照)。

【5】 X 誤り

抵当権設定登記後に、賃貸された場合、この賃貸借は抵当権実行による買受人には対抗することはできないが、この場合、賃借人Hは、6ヶ月の明渡猶予期間が認められている。しかし、この猶予が認められるには使用の対価を支払う必要がある(民法395条2項)。


Written by admin in: 平成20年過去問 |

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