11月
12
2008

【行政書士過去問】(平成20年問14)不服申立て

行政上の不服申立てについての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 行政上の不服申立ての道を開くことは、憲法上の要請ではないので、この制度を廃止しても、憲法違反とはならない。
  2. 明治憲法下で行政上の不服申立てを定めていた訴願法は、行政裁判法と同時期に制定され、これと同時に廃止された。
  3. 行政不服審査法は、行政事件訴訟法とともに、戦後改革の一環として、現行憲法の制定と同じ時期に制定された。
  4. 憲法は、行政機関が裁判を行うことを禁止しているから、裁判手続に類似した行政上の不服申立てを整備することによって地方裁判所における審級を省略することは許されない。
  5. 憲法による法定手続の保障の趣旨は、行政上の不服申立ての手続にも及ぶので、その手続においても、口頭弁論主義が原則とされている。

正解:1

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【1】 ○ 妥当である

行政による権利・利益の侵害に対し、私人が救済を求める手段として、憲法が保障しているのは、「裁判所において裁判を受ける権利」のみである(憲法32条)。

したがって、行政不服申立を憲法上要請された制度ということはできない。
この制度を廃止したとしても、憲法違反にはならない。

【2】 X 妥当でない

訴願法は1890(明治23)年に制定され、1962(昭和37)年の行政不服審査法制定により廃止された。
行政裁判法も、制定については1890(明治23)年であり、訴願法と同時期である。
しかし、その廃止は1948(昭和23)年に裁判所法が制定されたことによる。
したがって、訴願法と行政裁判法の制定は同時期であるが、廃止は同時期ではない。

【3】 X 妥当でない

行政不服審査法が制定されたのは1962(昭和37)年である。
現行憲法(日本国憲法)の制定は1946(昭和21)年である。
これを同じ時期ということはできない。

【4】 X 妥当でない

憲法が禁止しているのは、行政機関が終審として裁判を行うことである(憲法76条2項後段)。
逆にいえば、前審としての不服申立制度は許容されている。
また、地方裁判所における審級を省略することも許される場合がある。

※例えば、特許出願に対する拒絶査定を巡る審判については、その審決に対する訴えを東京高等裁判所に提起することとなっており(特許法178条1項)、その支部である知的財産高等裁判所が第1審として審理を行う。その後は上告審(かつ第2審)である最高裁判所があるのみである。
つまり、地方裁判所における審級が省略されている。

【5】 X 妥当でない

行政不服申立てに関しては、書面審理主義が原則である(行政不服審査法25条1項本文)。
口頭弁論主義は補足的に用いられているに過ぎない(同条同項但書)。


Written by admin in: 平成20年過去問 |

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